忍者ブログ
 カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
 フリーエリア
 最新コメント
[05/03 鈴木さん]
[03/21 サク]
[03/12 サク]
[03/10 NONAME]
[03/07 あきお]
 最新トラックバック
 プロフィール
HN:
性別:
女性
自己紹介:
小説の誤字脱字、また日本語の使い方があまりにもおかしい場合は、遠慮なさらずに知らせていただけると嬉しいです。
その他日常における日本語の乱れは私の頭がおかしいだけで問題ありませんので、報告の必要はありません。そして愛あるお言葉はいつでも大歓迎ですw
 バーコード
 ブログ内検索
ロックオンは永遠の右側で、 声優では三木眞一郎さんを崇拝。
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

再会のその後になります。いったんこれで終了です。
昔のノートパソコンで書いて、データをこのパソコンに移そうとしたら。エラーばっかりでるので、
ほんとにへこんだんですけど、打ち直しました!ですので、読んでいただけると報われます!

 あったかい、あったかくてふわふわして気持ちいいな。もう…朝?

だけど…まだ起きたくない、もう少しもう少しだけ…いいよな。だって、目が覚めた

らまた現実があるんだ。逃げるつもりはないけれど、もう少しだけ長く夢の中にいる

くらい許されるだろう?あったかくてなんだか幸せな気分なんだ。幼いころに戻った

みたいな、だからもう少しこのまま眠りたい。そうぼんやりとした頭で思いながら側

に感じるぬくもりへと擦り寄ると、誰かが頭を撫でてくれて嬉しくなった。

気持ちいいな、もっと撫でていて。そのまま気分よく、また寝ようとした俺を邪魔する

ものがある。なんだ?顔に何かあたってる気がする。やわらかい感触は嫌じゃない

が、何度も顔中に降ってくるそれは眠りを妨げる存在でしかない。

なんだよ、もうと少しうっとうしくなり払おうと上げた手は何かに触れ、つかまれた。

そのまま優しく握られたかと思うと、唇にまたやわらかな感触を受けた。そこでよう

やくゆっくりと瞼を開くと、昨日食事をしたグラハムがいて、こちらを覗き込んでいる。

そして左手ではまだ俺の手を握ったままで、右手で俺の頬をそっと撫でた。

「お目覚めかい?」

「へっ…?」

 まだ頭がぼんやりしていてうまく回らない。どういうことだ?どうしてこの人が目の

前にいるんだ?それにここは…全く見覚えのない部屋だ。

「昨日のことを覚えていないのか?すっかり酔ってしまった君を私の家に運んだ

んだ。君のホテルを知っていながら私の家に連れてきたことは、男心だと許して

くれるかな?」

「俺、酔って?」

「ああ、私は車の運転があるから飲まなかったんだが、君は私のすすめた酒が気に

入ったようで結構な量を飲んでいたよ。」

「えっと、すいません。あんまり覚えていなくて…。」

 俺はどうやらうっかり酔いつぶれてしまったらしい。いつもならこんなことはめった

にないのに。昨日の俺は自分で思っていたよりも感傷的になっていたのかもしれな

いな。でなければこんな、朝起きたら男の部屋にいるなんてありえない。そこで

ようやっと意識もはっきりしてきて、今の状況を確認する。ベットは広くて、今も男

二人でのっているがずいぶん余裕がある。ここで昨日も一緒に寝たのだろう。という

ことは、側に感じていた暖かさの正体はグラハムだったのか。人肌のぬくもりを感じ

て眠ったのはずいぶん久しぶりだったし心地よくて、その暖かさに落ち着いた。

それから、頭を撫でられてかつての母を思い出しもした。いたづらをして怒られた

後に、泣いている俺に「もうしちゃいけないわよ」って言いながら優しく頭を撫でてく

れた凛とした母を。俺にとって頭を撫でられるということは許された証だった。だから

俺は、罪深い俺は…頭を撫でられたことで自分は許されたのだと思って、ほっと

して、救われた。そのあとはなんだかうっとうしくて。もうすこし寝たかったのに。

そう、そしてしょうがなく目を開けたんだ。それで目の前にグラハムがいて……っ!

「そうだっ、あんた俺になにしてたんですか!」

「眠っている姫にはキスをするのが礼儀だろう?」

「そんな決まりねえよっ。」

「そうはいうがね、私としては一晩君が隣にいるのにじっと我慢して、キスしか

しなかったのを褒めてほしいくらいだけどね。」

「何言って、そんなの!それにっ…。」

「わかったよ。君は君の意思が無視されたことが気に入らないんだね。私が勝手に

キスしたのがまずかったんだろう?」

「そっそうだよ、でもなんか違うような…。」

 そう言った後黙ったおれに手を伸ばすと、グラハムは俺の頬に触れじっと顔を見つめ

てきた。そんなグラハムに俺も視線をそらすことが出来なくて、「今度は拒んでもかま

わないよ。」と言ったグラハムの言葉を聴いても、拒絶する言葉が出てこなかった。

止めないと、ダメだとわかっている。先ほどだって意識があれば当然キスを受けては

いなかった。理性がそれを許すはずがない、ただしたいからするという理由をつける

には柵が多すぎるのだ。…だけど、無意識下の俺は与えられた暖かさと優しさを

素直に喜んでいた。そう思い返したときには、グラハムの顔がもう目の前にあって、

俺は…そっと目を閉じることにした。グラハムの唇が自分の唇へと触れるとやはり

あたたかくて、触れたところから自分が綺麗なものにでもなったような気がした。

けれど優しく触れただけでぬくもりはすぐに離れていってしまった。それをなんだか

名残惜しく感じている自分に恥ずかしくなった。瞼を上げグラハムの瞳を見つめると

俺の気持ちを察してくれたのか、微笑んだ後もう一度口付けてくれた。優しく啄ばま

れるように与えられる口付けをうけ、素直にこの瞬間を幸せだと認めることが

出来た。そうして、自分の頬がぬれていると気づいたときには、もう手遅れなのだと

確信した。グラハムの肩をそっと押してキスをやめてもらうと、そのままグラハムに

ぎゅっと抱きついた。肩に額をあて泣き始めた俺の頭をまた撫でてくれる。俺は許さ

れないことをたくさんしてきてしまったし、これからだってたくさんするというのに。

戦争根絶という目的を果たすと決めてから、誰も愛さないようにしようと決意した。

それなのに、グラハムから安らぎを感じてしまった。穏やかでほっとして、守られて

いるような。だけど、愛なんて戦場では枷になるに決まっている。また、愛する人に

会いたいと、戦闘中に自分の生を優先してしまったりするかもしれない。割り切るこ

となんて自分にはできないだろう。だから、好きになってしまう前に二度と会わない

ようにしようとしたのに。グラハムのことは忘れないといけない。腕の中の心地よさや

ぬくもりなんて、知ってはいけなかったんだ。忘れよう、なかったことにしなければ。

グラハムとは会わなかった。今日も、始めてあった雨の日も。

だけど…ありがとう、幸せがどんなものだったかって思い出すことが出来た。ずっと

忘れていた感情だった。またこれからも閉まっておかなければならないものだけど、

一度でも思い出すことが出来て本当に感謝してる。もう本当にさよならさ。

好きになってしまったなんて都合のいいこと、あんたには絶対言わないでおく。

今日だけ俺の心の中でたくさん言って、お終いだ。一度でも言葉にしたら、あんたの

心にも俺の心にも残ってしまうだろう?あんたは勝手だって言うかも知れないけど、

勝手に俺を夢中にさせて、勝手に俺にキスしたんだから、十分おあいこだろ?

ほんとに、すまないと思うけど今日で終わりにしなくちゃいけない、全部忘れて

なかったことに…っ。

そして明日からも俺は、世界と戦うんだ。世界のために。

そう、だからさ最後にもう少しだけつかの間の幸せに浸らせて欲しい。

もう涙はとまったから。

上手く笑えたか分からないけれど、俺は顔を上げて微笑んむと、グラハムの首に

腕をまわして、瞳を閉じた。











<思ってよりだんだんシリアスな感じに…。なんでだ?
生産中は全然シリアスしゃないんですけどね。これを書いてるときも
グラハムがキスしたことについて「嫌だったかい?」と尋ねてロックオンが「当たり前だろ!」
と返す感じだったんですけど、グラハムの台詞を変えたのにロックオンの台詞をなおすの忘れていたみたいであとで読み返していると、

「眠っている姫にはキスをするのが礼儀だろう?」

「当たり前だろ!」

ってなってて慌てて直しました。ロックオン認めてるし!怒る必要ないやん!みたいな。危なかった、気づいてよかったです。
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
この記事へのトラックバック
この記事にトラックバックする:
忍者ブログ [PR]