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ロックオンは永遠の右側で、 声優では三木眞一郎さんを崇拝。
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後編あげました★

 店へと入るとすぐに、ロックオンは店内を見回し始めた。レジ、店員、ガラス越しにわずかに見える厨房。しかし、どこにもロックオンの不安要素である“あいつ”はいなかった。キョロキョロと店内を見ているロックオンを、グラハムは不審に思うこともなく、むしろいつもとは違って落ち着きのない様子を可愛いな、などと考えていた。そしてそんな様子をロックオンが店の雰囲気を気に入ってくれたのだと解釈し、自分の選択は間違っていなかったとほっとしていた。

ウェイトレスに案内され、窓側の席へと着くと、ロックオンは心配事もなくなり安心したため食事を楽しもうと笑顔でメニューを手に取った。グラハムは前回食べた料理が気に入ったようで、同じものを頼むようだ。「俺は何にしようかな?」とメニューに目を通す。

久しぶりにピザが食べたくなったため、シンプルな数種類のチーズとトマトのピザを頼んだ。注文をした後も、グラハムと他愛もない話をしながら、メニューをぱらぱらとめくっていた。そこで、おいしそうなものを見つけてしまう。


「あ!やっぱり、これにすればよかった!」

「それなら、追加で注文すればいいじゃないか。」

「いいって、夜にあんまカロリー高いもの食べすぎちゃ太るだろ?」

「ふむ、しかしふっくらした君も抱き心地がよくなっていいかもしれないな。」

「何言ってんだよ、もう」

「冗談で言ってるわけではないよ?」
「はいはい、俺が三段腹になっても愛想尽かさないでくれよな。」

「私が君に愛想を尽かすなんて、そんなことあるはずがない!私は例え君がメタボリックな体になったとしても、その腹ごと君を愛し続けると誓おう。」

「グラハム!ありがとう…//


他人が聞けばなんだかおかしな言葉であるがロックオンは嬉しかったようで、照れて下を向いて、そのまま再びメニューに目を通し始める。しかし他の客の迷惑になるほど出ていたピンクオーラはロックオンが最後のページに書いてある、当店オリジナルメニューを見たことで一気に色を失った。「じゃがいも好きの方にお勧め、マッシュポテト、ジャーマンポテトをたっぷりのせて、トマトソースと二種類のチーズかけました。」それは、この店オリジナルのピザであった。グラハムが突然メニューを見つめ何も言わなくなったロックオンを心配し、「やはり具合がわるいのかい?」と尋ねてきたことで、ロックオンは自分が冷汗をかいていることに気がついた。心中は不安に駆られてしかたがなかったが、グラハムを心配させないようにと「いや、大丈夫だ」と答えた。だがグラハムはまだ、疑念と気遣いのこもった目で見つめてくる。ごまかしきれないと判断し、「ごめん、ちょっとトイレ行ってくる。」と言って席を立った。


***

トイレに行き個室に入って腰かけると、顔を手で覆った。さっきのピザは俺がいつもプライベートで作ってもらっていたピザに間違いない。あのころはメニューになんて無かったはずなのに、いつのまに加えていたんだろう…。それにどうしてだ、今更こんな。わからないことばかりであるが、やはりあいつはこの店内のどこかにいるかもしれない。そう思うと怖くてしかたがない。どうしてもグラハムに会わせたくない。そんな事態は絶対にあってはいけないのだ。

なんとかしなければ…。あ!そういえば、いつもあいつは自分はフロアに出ることなく奥の管理室にいたはずだ。ということは、滅多な事がない限り出てくることはないだろう。だったら店員に尋ねて、居ることがわかったら具合が悪いふりをして帰ることにしよう。楽しみにしていたグラハムには悪いがやむを得ないのだ。


トイレから出てきたところでちょうど店員がいたのでグラハムから見えない位置で尋ねる。

「すみません。」

「はい、いかがなさいましたか?」

「この店の支配人って、アリー・アル・サーシェスですよね?」

「ええ、そのとうりですが。支配人に何か御用でしょうか?」

「ここに居るんですか!?」

「いっいえ、申し訳ありませんが、支配人は本店におります。なにか御伝言でも承りましょうか?」

「えっいや、いいです。ありがとうございました。」

「はい、それではまたご用がございましたらお呼び下さい。」


あいつはここにはいない。それが聞けてよかった、本当に。はあ、だけどまさかあいつの店にもう一度来ることになるとは思ってもいなかった。
 グラハムが気に入るのもわかるくらいにあいつの店の料理は美味かったけど。俺もとても気に入っていたし。いや、今はそんなことどうでもいい。早く席に戻らないとグラハムが不審がっているに違いない。ああ、心配してくれたグラハムを安心させてやらないとな。そう思いながらロックオンは自分の席へと歩いて行った。




<ロックオンの元彼はひげの親父(モレノさんでナイ)でした。
これからまた出てくることになるかもしれません。>

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